休眠会社に該当したらクレジットカード会社に分かるか?

休眠会社,クレジットカード
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休眠会社とは?

一般的に活動を休止している会社のことを休眠会社と言います。何らかの事情で会社の活動は休止するが、将来的に再開する可能性があるので会社の解散や精算などはしない場合に、このような状態にします。

手続きとしては会社が存在する地域の市町村役所と税務署に異動届出書で活動休止する旨の届け出(通称休眠届)をします。そして、会社を休眠させたときは、会社自体は存続しているので、毎年の税務申告(収支ゼロ)を行なわなければなりません。また、会社の登記情報に変更がある場合は登記の変更を行なう必要があります。

登記変更の可能性が高いのは、役員の任期(最大10年で通常は2年~4年)満了に伴う役員変更です。同一人物が再び役員を行なうとしても登記変更をする必要があります。これをしないと、会社の代表者に100万円以下の過料が科せられる可能性があるので、一人会社などで自分が役員の場合は忘れないようにしましょう。

会社を休眠するメリットは、事業の再開が容易にできるということと、住民税の均等割(資本金1,000万円以下で7万円)が免除される場合があることです。住民税は法人所得税と均等割から算出されるので、赤字や休眠していれば法人所得税はゼロですが、均等割の部分は払わなければいけません。

しかし、住民税の法的要件が「事業を行なっている事務所」なので、休眠状態の会社から住民税を取るのは法の主旨に沿わないという議論もあります。そこで地方自治体によっては休眠届が出ている会社からは住民税は取らないことがあります。したがって、休眠届を出して休眠することで、税金が節約できる可能性がある訳です。

なお、正しくは「活動休止中の会社」であり、会社法で定めている「休眠会社」とは違います。会社法では「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」(第472条)のことをいいます。会社法でいう「休眠会社」に該当する場合、法務大臣によって「みなし解散」の手続きが取られる場合があるので注意が必要です。

休眠中の銀行口座は?

会社が休止していても銀行口座はそのままでかまいません。むしろ再開するときに再度会社用の口座を作るのは大変なので、そのままにしておくことが多いです。

注意点としては、2018年1月から施行された「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」によって、法人口座でも2009年1月1日から10年間以上取引がなかった口座の預金は休眠預金として扱われる場合があることです。休止中の会社は事業に関わる一切のことをしてはいけないので、法人口座での取引はできません。

もし資金の動きがあると休止していないと見なされるので、2009年から休眠している場合、今年(2019年)に休眠口座にされる可能性があります。もちろん、休眠口座や休眠預金と見なされても勝手に処分されるのではなく、まず銀行がWebサイトなどで告知します。この時点で銀行に問い合わせて事情を説明すれば、休眠口座とは見なされません。また、1万円以上の残高がある場合、金融機関から登録されている住所へ「通知」が郵送されます(電子メールの場合もあり)。この通知を受け取ることで、その後の10年間は休眠預金になりません。さらに、休眠預金と見なされて預金保険機構に移管されても、預金の引き出しは預け先金融機関で行なえます。

心配であれば、休眠する前に法人口座から預金を移動しておけば良いでしょう。

会社名義のクレジットカードはどうなる?

上述したように、銀行口座自体は存続しますし、休眠届を出したことはクレジットカード会社に伝わることはないので、会社が休眠状態にあることは分かりません。したがって、年会費無料の法人カードであれば、有効期限までは分からないでしょう。

ただ、有効期限がきたときに休眠以降全く利用がないことが分かるので、継続契約できない可能性があります。また、法人カードの手数料引き落としがあれば問題です。口座に預金があれば引き落としはできますが、それが行なわれると経費を払ったことになり、事業を休止していないと判断されます。これにより、もし住民税の免除を受けていた場合は無効になります。

したがって、会社を休眠するタイミングでカードを解約しておくことが必要です。休眠中の会社は経費などをカードで払うこともできないので、カードの使い道もありません。法人カードの審査を受けるのが大変だから契約したままにしたいと考える人もいるでしょうが、会社を休眠状態にする以上、1年以内に再開するのでなければ、カードは解約すべきでしょう。

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